TCニューズレター(紙媒体&Web)2016年7月号を発行いたしました!(営業展開でのアライアンスで売上拡大、博士号確定、他)

紙媒体でのニューズレター

『冨田賢の新規事業のための賢’s 情報Station』

の2016年7月号を発行いたしました!

 

巻頭特集:『営業展開におけるアライアンス活用で、売上拡大を目指す! 

〜ターゲット顧客層を抱える企業との提携で、Deal Flow構築!〜 』


当社は、電子メールのメールレター(配信申込とバックナンバーはこちら!

に加え、

毎月1回、紙媒体で4ページのニューズレターを発行しております。

 

巻頭特集や、セミナー開催報告・開催情報、

冨田賢のWorking Space、TCからのお知らせを掲載しています。

 

★TCニューズレター2016年7月号のPDFは、こちら!TC_Newsletter201607

※コンサルティング先企業様には、必要部数ずつ、印刷したものを、

 ご郵送させていただいております。

 

以下、JPEGの画像と、テキストデータも、掲載いたします。

 





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<テキスト・データでの掲載>

 

営業展開におけるアライアンス活用で、売上拡大を目指す!

~ターゲット顧客層を抱える企業との提携で、Deal Flow構築!~

 

 ここ数カ月、このニューズレターでは、IoT(Internet of Things)や人工知能(AI)、オープン・イノベーションの基礎理論などを取り上げてきましたが、今月号では、売上拡大に向けたアライアンスを活用した営業展開について、解説したいと思います。

 私の著書『新規事業立ち上げの教科書 ~ビジネスリーダーが身につけるべき最強スキル』(おかげさまで、第4刷まで増刷!1万部突破!)では、アライアンス(事業提携)の機能面のパターンとして、次の7つを取り上げました。

◆アライアンス(事業提携)のパターン

(1)技術開発力(アイディア力)のある企業と営業力  のある企業

(2)新規事業のシーズのある企業とシーズはないが  資金が余っている企業

(3)技術系企業同士の製品開発の技術補完

(4)開発力のある企業と生産力を持っている企業

(5)人が余っている企業と人の足りない企業

(6)営業先が共通の企業同士の営業先の共同利用

(7)強いエリアが違う企業同士の地域的補完

 この中で、営業先が共通の企業同士の営業先の共同利用が今月のメイン・テーマとなります。

 直接の営業部隊での営業だけでなく、ターゲットが同じ企業同士での営業協力の形のアライアンスの検討です。

 

 

 どの会社でも、直接の営業マンがいますね?ただ、直接の営業部隊での営業だけで、順調に売上拡大ができていればよいのですが、それだけでは限界がある場合があります。

 法人営業(B to B)において、営業マンを増やしていくには、素養のある人材を採用して、営業力を身に付けさせる教育が必要となります。正社員の営業マンは、固定コストも高く、急激に増加させることが難しいのも事実です。また、かなり飽和状態となっている商材の営業や、どこに顧客となる企業が存在しているかの見通しが付けにくい商材の営業では、営業マンによる“飛び込み”営業だけでは、効率が悪いのが実情です。

 個人向けの営業(B to C)においても、単価・粗利の高い商材であれば、営業マンがひたすら営業をする形で成り立つ場合もありますが、スケールを大きくしていくにあたって、直接の営業部隊だけでは、スピードが遅くなってしまいます。

 人間の営業マンではなく、Webマーケティングで、Webでのお問い合わせで増やすという方法もあり、Webマーケティングは、ある程度、どのようなビジネスにおいても、取り組む必要がありますが、やはり、リアルなコンタクトでの営業展開のほうが、訴求力が強いケースが多いです。

 

 

 Deal Flowという言葉があります。Deal = 案件、Flow=流れ、という意味ですね。Deal Flowを構築し、確立することが大切だと、特に、私がもともといたベンチャーキャピタルや投資銀行の業界では言われます。これは、他の業種での営業展開においても、同じです。

 直接営業だけに頼るのではなく、「案件を紹介してくれる提携先を増やすことで、継続的に案件が入ってくる流れを作る」ことが重要です。

 すなわち、狙いたい顧客層とつながっている会社、すでに顧客をネットワークしている会社や、営業先(ターゲット)が同じ会社と組む(=アライアンス)ということです。

 滝が流れてくるように、案件(=Deal)が流れてくるように、ターゲット層とのリレーションを持つ提携先を作っていき、提携先から、一定ペースで、仕事が流れてくるようにするわけです。

 法人営業展開において、これまで営業して獲得してきた企業群とは違う新しい方面の企業群と付き合うという面でも、営業協力の提携先を作ることは有益です。直接営業だけではなく、新しい販路・商流を作るという発想・取り組みは、もっと多くの企業が取り入れるとよい方策です。

 これは、個人顧客をターゲットする場合でも、個人顧客を、一人一人開拓していては、時間がかかってしまいます。そこで、すでに個人顧客を多く抱えている企業と組む、ということとなります。たとえば、クレジットカード会社は、何千万人もの顧客情報を有していますし、ダイエット食品の通販会社も何百万人という過去の購入者のデータがあり、Eコマースの展開をしている会社も何十万人ものメルマガ会員を有しています。それらの融合、連携によって、生み出されるものは大きいです。

 

 

 これは、「アライアンス・コンステレーション(Alliance Constellation)」で、企業がバラバラに活動するのではなく、グルーピングして、“群れ”として活動することで、メリット・利益が新しく生み出されるという概念につながるものです。これは、信用などの非経済的なものを取り扱う社会的交換理論によるアライアンス研究において、Das, T.K.,and Bing-Sheng Teng(2002)“Alliance Constellations : A Social Exchange Perspective,” Academy of Management Review, 2002 Vol.27, No.3, 445-456 などで研究されています。

 アライアンスによって、営業連携をすることにより、個々の企業が独立してやっているだけでは生み出せなかった売上・利益を作っていくことは、非常にメリットがあります。

 私はかつて2010年~2012年ごろ、TCの「スイミー構想」を展開していた時期があります。スイミーという絵本がありますが、それは、小さな魚が群れとなって大きな魚を形どって、実際の大きな魚と戦ったという話です(赤い小さな魚たちの中で、黒色のスイミーは、目の部分を担って…)。バラバラだと生み出せない価値(バリュー)をグループとして連携することによって生み出されるという考え方は、今でも、有効だと思っています。

 

 では、具体的に、どんなDeal Flow構築のための提携があるでしょうか?これまで、セミナーや本でご紹介したものも含め、振り返ってみましょう。

工場の排水・排ガスのシステムの会社と、

アスベスト調査の会社

 工場の排水・排ガスのシステムの会社は、定期的にメンテナンスの担当者が工場を訪問。

 他方、工場のボイラー室などではアスベストが使用されており、その調査が必要。個別に工場に営業をかけるのではなく、提携先からの紹介を受けて、作業をして、紹介料を支払う。

介護施設に紙オムツなどの物販の会社と

ヘルパーの勤怠管理のスマホ・システムの会社

 どちらも、介護施設が営業先であり、どちらかが開拓した介護施設には提携先のサービスの紹介をする。新規開拓での訪問の際には、もし自社のサービスが売れなくとも、提携先のサービスを売ってくる。営業ターゲットがどちらも同じのため、連携する。

飲食店向けのPOSレジの会社と飲食店の集客のFacebookツールの会社

 ルート営業でPOSレジの営業をしている営業担当者が、システムの入れ替えまでの顧客との関係構築のために、集客ツールをドアノック商材として活用。Facebookツールのベンチャーは営業マンを十分抱えれていないため、その不足を補完。

健康食品の既存顧客データを有する会社と

ウォーター・サーバーの営業会社

 これまで自社商品を購入してくれた個人顧客データを有する企業と、その顧客及び今後の新規顧客向けにウォーター・サーバーの告知やオプション・サービスのご提案。どちらも定期購入で、BtoCの商材で、ターゲット顧客層が共通。双方が協力して、定期購読プランを構築。

不動産オーナー向けのマンション建設の会社と

光ファイバー・ネット回線の会社

 分譲の新築のマンションを建てる際に、光ファイバー・ネット回線を購入者に特別プランを案内するとともに、賃貸向けの新築マンションの場合は、リーシングをしやすくするために、もともとネット回線を整備し、ネット利用し放題のプラン込みの賃貸マンションとする。光ファイバーのネット回線は、引っ越しやマンション購入のタイミングが絶好の営業局面のとの特性を活用。

 このような事例が考えられます。(なお、これらには、特殊事情により、必ずしも、実際に成立しなかった事例も含まれております。)

 

Deal Flowとなるような提携先を増やすにあたってのポイントは何でしょうか?それは、何かの販売代理や紹介をする提携先側の立場で考えるとわかります。

 まずは、①手離れ良く、案内ができる内容かどうか?、②紹介できた場合の紹介料(もしくは、マージン)が大きいか?という2つが主としてキーとなります。

 本業の営業に加えて、他社のサービスなり商品なりを担ぐ場合、あまりにも、説明に時間が必要だったり、説得の労力が必要だったりすると、やはり、担ぎたくないですよね。他社と営業協力をして、自社のサービスや製品を営業展開してもらう代わりに、他社のサービスや製品を営業する場合、簡単にわかりやすい内容で、案内がしやすく、“トス・アップ”をするだけは容易にできるものでないと、難しいということとなります。TCニューズレターの2015年12月号に書きましたように、「これ、いいね!」とすぐわかってもらえる立て付けになっていることが必要です。

 また、営業協力とはいえ、販売代理をする場合、1件、決まった時の紹介料(もしくは、マージン)が大きいほうがいいですよね。サービス構築においては、営業協力をしてくれる提携先に分けれるくらいの高収益な収益構造にすることも求められます。

 いずれにせよ、営業展開のアライアンスをしてくれる提携先を発掘し、良い形での提携をするためには、自社の直接営業部隊での営業展開で、しっかりノウハウを積み、成約率が高くなるような試行錯誤(PDCA)をしっかり回して、営業の精度を高めて、それを持って、提携先企業にお願いをする!ということが大切です。

 時折、自社で売る努力をまったくせずに、他社に売ってもらおうとする会社がありますが、それは本末転倒で、無理な話です。自社でしっかり売れる仕組みを構築して、その上で、提携先に売ってもらうステップを取るべきで、そのほうが、アライアンスによる営業展開が進みやすいです。

 

 

 新規事業立ち上げ(新製品開発も含む)において、事業構築や製品開発をしてきて、結局、最後に、その成否を決めるのは、営業展開です。どんなサービスでも製品でも、最後の段階で、売れなければ、売上は立たず、キャッシュは会社に入ってきません。売上が増えず、キャッシュが会社に入ってこないと、新規事業が成功した、ということにはなりえません。

 結局、新規事業構築は、営業力次第ということがあります。だからこそ、私は、最後の営業展開のことをあらかじめ踏まえて、サービスや商品の開発をするべきと主張しています。営業チラシを新規事業立ち上げのサービスや商品の企画段階で作ってしまうくらいでちょうど良いと言えます。

 営業展開においては、今回のニューズレターで取り上げましたように、営業協力の形のアライアンスの活用を考えていくべきです。新規事業立ち上げにおいて、有り余るほどの直接の営業部隊を作れる会社はありません。では、どう補うかは、外部をいかに活用するか!に付きます。営業協力の形のアライアンスができれなければ、“資金資源”と“販売資源”の交換という形で、お金を支払って、営業代行会社に、営業をアウトソーシングしていくことも、有効な手段です。

 新規事業だけでなく、既存事業の売上拡大において、行き詰まりを感じたら、Deal Flowの構築、営業展開の面でのアライアンスを考えていきましょう!そして、しっかり、提携先を探索・発掘して、その提携先の先にある顧客層を、一気に速いスピードで獲得していきましょう!

 

 

<セミナー開催情報>

会社立ち上げから学んだ生き抜く力~ひ弱なエリートはもういらない~

主催:インターナップジャパン(コンサルティング先企業)参加費:無料

2016年7月14日(木) 17:00~20:00 https://www.tcconsulting.co.jp/seminar/7677/

★懇親会付!(19:00〜20:00)

 当社コンサルティング先企業のインターナップジャパン株式会社(NTTグループと米国NASDAQ上場企業の合弁会社)主催で、2ヶ月に1回、行っているセミナー、これまでは、IoT(Internet of Things)や人工知能(AI)、フィンテック(FinTech)、オープン・イノベーションの基礎理論などをテーマに行ってまいりましたが、このたびは、趣向を変えた内容での開催となります。

 『“優秀な奴”は通用しない!~ベンチャー企業のビジネス・ジャングル・サバイバル~』の第1部で、冨田賢が講演します(17:05〜17:45)。独立系ベンチャーキャピタル会社の創業と2年半での上場達成、多くのベンチャーへの投資と上場、そして、再度のコンサルティング会社創業で学んだ、組織に依存せず、独立独歩、生き抜く力について、体験を交えて講演いたします。銀行員や大学教員という対照的なポジションも体験したユニークなキャリアを持つ冨田だからこそ話せる内容です!決断の仕方、自信の付け方、自分のビジョンのかなえ方などを大胆にお話する、ビジネスでの強烈な営業力と、博士号取得のアカデミック・バックグラウンドでのユニークな講演とする予定です。

 

 

<セミナー開催報告>

立教大学MBA&飯能信金タイアップ講座竹林舎セミナー

【第2部】IoT(Internet of Things)と人工知能を理解する!

【第1部】新規事業立ち上げのノウハウとアライアンス活用https://www.tcconsulting.co.jp/seminar/7677/

2016年6月21日(火) 17:00~20:00

 4年前から毎年1回、2コマ、講義をさせていただいている竹林舎セミナーにて、お話しいたしました。2014年の竹林舎OB総会での講演も含めると5回目となりました。

 3時間でお話しするには、やや多い96枚のスライドをご用意しましたが、ご参加者の関心に合わせながら、強弱をつけて、時間配分を調整して、お話させていただきました。また、人工知能の簡単なデモ(機械学習のパッケージを用いたもの)も行わせていただきました。

 私(冨田)のセミナーのご参加者は、最近は、大企業の方々が圧倒的に多いですが、このたびの受講者の皆様は、中小企業の後継経営者の方々でしたので、“Audience First!”(聴衆、第一!)で、受講者に合わせて、できる限り、お話しするように心がけました。少しでも、皆様の今後の企業経営にお役に立つ内容となっていましたら、幸いです。

 

 

●その他セミナー開催報告について●

IoT時代の新規事業立ち上げ戦略~アライアンス活用で、新しい収益を作る!~

2016年6月29日(水)

主催:新社会システム総研 【外部講演】

 30数名の大企業の新規事業部門の方々にご参加いただ

きました。ニューズレターの作成のスケジュールの関係で、

写真の掲載などは、次月号に掲載いたします!

 

 

企業間アライアンスの相互補完数理モデルの提案

フロー概念とギブ・アンド・テイクの考え方による新たな展開

2016年6月25日(土) 14:00~14:30主催:日本経営会計学会【学会発表】

 この発表は、冨田賢の慶應義塾大学からの博士号取得の研究 https://www.tcconsulting.co.jp/profile/research/ の中で、査読論文として、まだ未発表となっている部分の発表となりました。当社Webサイトのhttps://www.tcconsulting.co.jp/archives/7700に発表内容を4ページにまとめた予稿を掲載しております。

 

 

祝!冨田賢の著書「新規事業立ち上げの教科書~ビジネスリーダーが身につけるべき最強スキル〜」

累計販売部数1万部突破!第4刷の増刷が決まりました!!

 2014年8月に出版いたしました本書、発売から2年近く経っても、引き続き、ご好評をいただいております。このたび、増刷が決まり、第4刷まで進みました!多数の読者の皆様にお買い求めいただいたおかげです。心から感謝しております。また、いかに、日本企業において、新規事業立ち上げが重要となっているかを示していると思います。今年も、1冊、本の出版を予定しておりますが、引き続き、良い本を書いていきたいと思います。

 

 

<Working Space>

慶應義塾大学からの博士号取得、研究科委員会での最終合否判定も、合格!

 これまでも、私の慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科での博士号取得の審査過程については、博士号取得要件のクリアー(査読論文3本、国際学会発表1回)、フォーマル発表・合格(2016年1月16日)、公聴会発表・合格(2016年5月14日)、審査委員会(最終試験)・合格(2016年6月1日)、順次、ご報告をしてまいりました。

 このたび、6月22日に、研究科委員会にて、最終合否判定の投票が行われ、無事、合格いたしました。主査の環境情報学部教授の武藤佳恭先生が発表をされました。反対票ゼロの満場一致でした!

 これにて、博士(政策・メディア)の取得が確定し、本年9月15日に授与式がございます。博士(政策・メディア)の正式英語表記は、Philosophy of Doctor in Media and Governance。

 大学院の後期博士課程は、3年間が通常ですが、私は2年半での早期修了となります。

 これまで、様々、支えてくださった皆様、心から、御礼申し上げます。

▼  博士論文は、当社Web上で公開しております。www.tcconsulting.co.jp/profile/academic

 

★写真は、友人の平田謙次さんがプレゼントしてくださった大学名や私の名前などが入った

 記念品です!平田さん、ありがとうございました!

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冨田 賢 (とみた さとし)

Satoshi Tomita, Ph.D.

株式会社TCコンサルティング 代表取締役社長
博士(政策・メディア)

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